【スタッフブログ】vol.86「船村徹記念館の運営に関わり考えたきたこと」(なおさん)

「ニコニコ本陣スタッフ通信」vol.86

船村徹記念館の運営に関わり考えたきたこと、

こんにちは、道の駅日光、ニコニコ本陣の直林です。
すでに新聞でも発表されていますし、施設からの案内も行なっていますのでご存じの方も多いと思いますが、道の駅日光にある「船村徹記念館」はいくつかのサービスを停止して、2023年4月から入館無料の船村徹記念館としてリニューアルオープンします。

僕たちが、船村徹記念館の運営に関わるようになったのは2018年4月からでした。開業翌年から徐々に入館者数は減っていました。そもそも施設特有の課題があったところに、2020年、パンデミックの発生。コロナ禍では市民への行動制限が求められ、高齢者の外出機会の減少、団体バスの激減、そして記念館の臨時休館によって入館者数減が決定的なものとなりました。

僕たちは船村徹記念館には、コロナ以前より以下の課題があると考えていました。
① 船村徹先生のネームバリューに頼り過ぎた運営
② これまでの利用者の高齢化
③ 新しい価値を提案する企画力の不足

これらの課題を克服するために、記念館のコンセプトの変革に取り組み始めました。
①「観光施設」から「文化施設」への進化
② 記念館を「昭和歌謡」のメッカへ
③ 記念館3階の貸しスペースを大きな「スタジオ化」する
さらにコロナ禍によって取り組み始めたオンラインを駆使し、「文化施設」としての新たな企画を発信することにも取り組むこととしました。

船村先生が活躍した時代は、まさに、「昭和歌謡」の時代であり、それは、「レコード文化」の時代でもありました。専業の作詞家、作曲家、編曲家、そして歌手、レコード会社が作り上げる「歌謡曲」は昭和を象徴する大衆文化です。現在、日本のシティポップが日本の若者や世界でも大人気となっています。船村徹記念館では、「昭和の歌謡曲」、「昭和の文化」を楽しめる記念館を目指したいと考えたのでした。イメージは「船村徹記念・昭和歌謡レコード記念館」といった感じでしょうか。

新しいコンセプトのもと、船村徹の記念館という従来の「観光施設」から、昭和の歌謡文化を楽しむ「文化施設」へと進化させるため、新たに企画を立てることにしました。記念館では定期的に「レコード鑑賞会」を開催し、様々なジャンルの音楽を楽しめる取り組みと、カラオケルームにオーディオセットを設置し、「アナログレコード」を聴いて楽しむことができるオーディオルームもスタートさせました。この他にも1階のミュージアムショップでは昭和歌謡のCDの取り扱いも始め、演歌の多かった売場に新しいジャンルを徐々に増やしていったのです。YouTubeではオリジナル番組「小針侑起のにっぽん昭和歌謡史」を、定期的に記念館3階のスペースからライブ配信を行ない、貴重なコロムビア音源を使用し昭和歌謡の魅力をたっぷりとお届けしファンを増やす取り組みにもチャンレンジしました。まさに公開スタジオのような感じです。僕たちは記念館の進化に繋がる取り組みをゆっくりですがしっかりと進めてきました。

このチャレンジも2023年3月で終了です。
残念ですが、十分な結果を残すことはできませんでした。ただこの過程でたくさんの方々にご協力をいただきいろいろなチャレンジをし、喜んでいただけたお客さまと一緒に過ごせた時間は何よりも楽しい時間でした。改めまして心より感謝いたします。ありがとうございました。4月からは新しい指定管理者の下で新しいチャレンジが始まります。どうぞ引き続き応援をよろしくお願いします。

今日もニコニコ本陣にお越しいただきありがとうございます。栃木県日光市今市の「船村徹記念館」という「文化施設」に関わり、ほんの少しでも貢献できたことは、僕たちにとっても、とても楽しいものでした。ありがとうございました。