Tag Archives: ホール技術

【スタッフブログ】vol.45「音の遅さの話」(堀田くん)

「ニコニコ本陣スタッフ通信」vol.45

皆さんこんにちは、道の駅日光、ホール担当の堀田です。

今回は音の遅さの話です。

まず音速はざっくり秒速340メートルです
340m進むのに1秒かかり、170m進むのに0.5秒かかり、34m進むのに0.1mかかります
逆に1m進むのにだいたい0.003秒かかり、10m進むのに0.03秒かかります
(実際には条件や環境によって変わるので今回はとりあえず1m=0.003秒で考えます)

ニコニコホール的に考えると

ステージ間口が12mなので立ち位置で端の人から指揮者まで約5mありだいたい0.015秒かかり
端の人から反対側の端の人まで約10mで0.03mもかかります
またステージセンターから客席C列(通常時の最前列)は約6mでだいたい0.018秒かかり
ステージセンターから客席最後列は約20mでだいたい0.06秒もかかります

数字だけ見るとすごく早く感じるかもしれませんし、実際に客席で聞いたら違和感はないと思います
でもこの遅さ舞台を作るうえでかなり厄介になります

実際の厄介さ

たとえばコンサートなどで音に合わせて明りを変える照明さんが客席後ろで生音だけ聞いていると確実に遅れます、なのでステージに立てたマイクの音を聞きながら操作をします。
そのマイクの音も各楽器それぞれの音だけ拾えれば問題ありませんが、例えばピアノの音を録るマイクにコーラスの音が少し遅れて入り、コーラスのマイクにピアノの音が少し遅れて入るとそれぞれ少しずつずれた音が入ってしまいコムフィルタ(詳しくはググってください)となり音が干渉し歪んでしまいます。
出力のスピーカーも同じで、人間は同じ音なら早く聞こえる場所から音が鳴っていると感じます。生演奏だけだと音量が足りないから少しだけスピーカーから音を出すような場面でスピーカーより後ろに出演者がいる場合には、スピーカーの音量を下げるのも行いますが数メートル分音を遅らせて違和感を減らす方法も良くやります。また、会場の響きが足りない時に壁面や天井のスピーカーから音を出して疑似的に残響を作ることもありますが、この時もステージからの距離分遅らせます。

映像が加わるとさらに厄介に

最近はさらに複数のカメラで録画をしそれを編集もします、プロ用の高級なシステムを使えばタイムコードで管理しつつ同時に録画開始出来たりすべてのカメラに直接マイクの音を入れられたりしますがニコニコホールではそんな高級品使えませんし一人でそこまで準備も出来ません。
なので録画の場合はすべてのカメラのマイクを生かして音と映像を同時に録り、音の波形を合わせて映像を同期させるという昔ながらの方法をとっています。(良くあるカチンコでやるやつ)
30fpsで記録した場合ステージ立てたカメラと客席後方から全体を取ったカメラだとこのカチンコの音が2~3フレーム分ずれることがあります。

生配信では逆に映像はすべて同期しているので良いのですが、その分PCが映像処理を行う時間(2~3フレーム分)だけ音を遅らせて配信に載せてあげる必要が出てきます。

映像をいじり始める前はそいう言うものとして気になりませんでしたが、最近栃木県総合文化センター大ホールでオーケストラのコンサートを2階席(音源から40mくらい?)で聴いたときに演奏者と音のずれが気になって気になって仕方ありませんでした。やっぱりコンサートは前の方で見た方が良いし、ニコニコホールなら一番後ろでも音の遅れはほとんど気にならなくてそういうところも含めてスタジオ向きなんだなと思いました。

 

【スタッフブログ】vol.40「マイクのお手入れ」(堀田くん)

「ニコニコ本陣スタッフ通信」vol.40

皆さんこんにちは

道の駅日光の堀田です
今回は学校では教えてくれないマイクのお手入れのお話です。

自分も音響の専門学校へ通って八の字巻きは死ぬほど練習しましたがマイクの掃除は現場に出てから初めてしりました。

マイク(特にダイナミックマイク)は基本的に口元に近づけて使います、ですので当然唾が飛びます。ロックなんかだと唇にガッツリつけて唾液を練り込みます。
なので使用後はグリルボール(先端の金属部分)の洗浄と本体の乾燥が必須です。

今回はこの子達で説明

使い終わったマイクたちのグリルボールを外し、本体は保管庫へしまいます

本体の先端がマイクのダイヤフラム部、絶対に触っちゃいけない場所です!!

コロコロ防止のためのゴムを外し、グリルボールの中からスポンジを取り出します(これが超臭い)

スポンジ取り出すときに中の金網の端でケガしないように

分解した先端部をまとめてぬるま湯に溶いた中性洗剤に漬けます(今回は中性洗剤が無かったので弱アルカリ性のジョイ君にお願いしました)

スポンジは千切れないように優しくもみ洗いをし絞ります

グリルボール部はやわらかいたわしや歯ブラシで優しく洗います(やりすぎると表面のメッキが剥げて錆びます)

すべて洗ったら流水でよく濯ぎます

最後に水が切れるようにザル等に並べスポンジは形を整え、風通しの良い日陰で乾燥させます
※今の時期は比較的暖かい場所で保管しないとスポンジが凍り変形したり破れます。(ただいまのホールの室温は3度…)

乾燥した後はしっかりスポンジを付け直してください、付け方が中途半端だとノイズの原因になったり最悪破損します。

以上

【スタッフブログ】vol.35「ニコニコホールの客席壁と床のお話」(堀田くん)

「ニコニコ本陣スタッフ通信」vol.35

今回はニコニコホールの客席壁と床のお話、

こんにちは、道の駅日光、ニコニコホール担当の堀田です。
ホールの客席壁と床のお話をしたいと思います。

壁のお話

ニコニコホールは日光杉並木をイメージしたデザインとなっており、客席の壁は穿孔ボードに栃木県産の杉を使用した意匠を張り付け吸音とフラッターエコー(定在波)の発生を防いでいます。(フラッターエコーについてはググってください)
また、意匠部分以外はほぼすべてグラスウールの吸音材が貼り付けてあり音楽的な響きをすべて消す作りとなっています。(とはいえ実際にはキャットウォークの鉄骨部などがむき出しになっているためミョンミョンした響きが残ります)

このホール客席壁の杉ですが、難燃処理や艶出しの処理はしていますが基本は無垢材のためとても脆いです、具体的には普通の養生テープに負けて表面が剥がれますし時期にもよりますが画びょうを打つと割れます。

ですのでホール壁面へのテープおよび画びょうなどの使用は厳禁で、どうしてもという場合は「Nitto No395N」の養生テープか建築内装用のマスキングテープ(文房具用はノリが残るからNG)を使ってください。

床のお話

客席床はコンクリートの上に2枚の耐水合板を重ねその上にタモ材のを敷き詰めたフローリングとなっています。最初は合板1枚の上にフローリングの予定でしたがそれではコンクリートの凸凹に対応できなかったため2枚に増やしたらしいです、2枚の合板を敷いた後表面が平らになるように削りながら調整してその上に節のないタモの無垢材を1枚ずつ並べていました。
家庭用のフローリングのように5枚1組のセットになっているわけではなく1枚1枚バラバラで色も違っていたので職人さんたちが良い感じになるように並べ変えながら作業していました。
そして最後にその上にざばーっとウレタンコーティングを塗り防水と劣化防止の処理を行いました(現在はさらにその上に水性ワックスを塗布しています)

この床もなかなか癖があり、まず合板の下がすぐコンクリートなので体育館のような使い方は出来ません、正確に言うと床下にバネが無いため飛んだり跳ねたりしたら膝や腰を痛めます(痛めました)
さらに平らになるように調整はしましたが木とコンクリートどちらも呼吸するため歪みます、見た目では分かり難いですが歩くとすぐわかります。2月頃に床を張ったため夏場は特に歪みがひどくなります。
その歪んだ床の上にロールバックチェアを組んでいるため最初のころは客席を出し入れするたびに少しずつ場所がずれました、現在では落ち着いていますがそれでも夏と冬では出方が少し違います。
床全面をウレタンクリアでコーティングしてありますが傷などから床下へ水が染みます。すぐに拭き取れば良いのですが一度しみ込むと中々乾かず最悪の場合そこから床が腐食しその上をロールバックチェアが通ることにより故障したり重大な事故の原因となります。

ですので固いものや尖ったものを使う場合(ダンスシューズや足のカバーが割れた机の使用等)には床へ養生をし、飲食や水物を使う場合は必ず防水マットを敷いたうえで必要に応じてさらにビニール等による二重養生をしてください、またコーティングをはがす可能性のあるテープ類の使用は厳禁でこちらも何かを固定する際は「Nitto No395N」バミリなどは内装用のマスキングテープを使用してください。

ちなみにやたらと押してる養生テープ「Nitto No395N」、いろんなメーカーのいろんなテープを試してノリ残りや剥がれやすさとのバランスは最高なのですが重大な問題が1個ありまして、色がさくら色のため木面へはぎりぎり目立たないのですが養生シートや黒い機材へはガッツリ色が出てしまうんです。もし良い感じのテープ知っている方いましたら情報お待ちしております。

【スタッフブログ】vol.17「船村徹記念館の夢劇場の映像システムについて」(堀田くん)

「ニコニコ本陣スタッフ通信」vol.17

こんにちは、道の駅日光ホール担当堀田です

今回は船村徹記念館の夢劇場の映像システムについて紹介したいと思います。
色々なところで謳っている通り、夢劇場はポリゴンモデルで作られた映像をメガネをかけてみるタイプの3D映像です。他の映像コンテンツと同じく元請け(株)乃村工藝社、システムは(株)毎日映像音響システムです。

3D方式について

投影方法は片目画面を上下左右4分割、それを両目で計8台のDLP式プロジェクター(Panasonic PT-DZ870)で投影しています。4画面をシームレスにつなげるため各画面の内側を少しずつ重ねておりスクリーンへのサイズは3646×2040ピクセルになっています。
3DメガネのシステムはIMAXと同じハの字の直線偏光式で、最近流行りの円偏光式ではないため交換用の3Dメガネがなかなか調達できず苦労しました。

再生機器について

映像再生用機器はQuadroK4000搭載のHP Z420workstation4台で4分割の両目分の2画面を再生し、左上担当PCで再生アプリと音声を出力しています。

配線はグラフィックボードのdisplayport出力をDVIへ変換しさらにエクステンダーでSDIに変換し伸ばしています。

再生アプリは特注のため詳しい事は書けませんが、左上担当のPCをマスターにして手動再生とタイマー再生が可能になっています。
ちなみにこのアプリOSのバージョンが変わると動かなくなるとの事でOSは開発時の環境(Win7)のまま使用しています。そのためOSを合わせるためにPC本体の個別入れ替えは出来ず1台壊れたら4台入れ替えが必要になります。

音声はLR+サブウーファーの3台のスピーカーで再生しており円柱状の特殊な場内でも迫力ある音を流しています。
ミキサーはTOAの施設用ミキサー(M-864D)で、このミキサーはオプションで壁面埋め込み型のリモコントリムを付けられます、なのでこのオプションを付ければ企画展示コーナーではなく夢劇場内で事前説明が出来るのですが結局追加してもらえませんでした。

スクリーンは円柱状の内側壁面に直接シルバー塗装を施した特別製で迫力と臨場感を出しつつクリアな投影状況を作り、さらに両端にギリシャ柱を思わせるふくらみを付けることでプロジェクションマッピング風の演出も行われています。
この塗装ですが最初は白色でした、しかし専用のシルバー塗装でないと3D映像がうまく映らないという事が完成直前に発覚、急遽塗り替えを実施したため当然ホルムアルデヒドが検出され収まるまで3日間作業が中断されたという裏話があります。

再生方法は開館当初は事前案内等は特になくタイマーによる自動再生で考えていましたがそれでは危険なためリモコン式に急遽変更、さらに客席もおしゃれな真っ赤なハイチェアでしたが座れない人続出でホールのスタッキングチェアに変更しました。

トラブルについて

プロジェクターのランプは本体内に各2個ずつ入っており合計16個のランプを使っています。定期メンテナンスの際に交換を依頼していますがそれでも毎年4~5個は切れていました。
再生機器方式もPC4台を同期させての再生のため再生時にいずれかがフリーズすると再生されなかったり、再生中でも処理に負荷がかかるシーンでは映像がずれることもあります。
たいていは再起動などで直りますがPCなのでHDDが壊れたことやメモリが壊れたこともありました。

そんな夢劇場も今のところ何とか上映できています、みなさまどうぞお越しください。

【スタッフブログ】vol.12「ハイブリッド講演会について道の駅日光式の開催方法」(堀田くん)

「ニコニコ本陣スタッフ通信」vol.12

こんにちは道の駅日光のホール担当堀田です。

今回はホールの利用方法として最近増えているハイブリッド講演会について道の駅日光式の開催方法をまとめてみます。

ハイブリッド講演会とは

ハイブリッド講演会とは何ぞやについて
これはざっくり言うと会場(ホール)の音声や映像をオンライン(ZOOMやMeetやTeams等)に配信し、同時にオンライン参加者の音声や映像を会場参加者へ伝える方式の講演会(勉強会)の事をここでは言います。
コロナ禍以降需要が高まってきておりましたが実はホールではそれ以前からボチボチ開催されており、だいたいどこのホールや市民会館でも開催されたいたと思います。(ニコニコホールはやっていませんでしたが)
ですのでどこの会場でも機材はあると思いますが、やり方や使用アプリは内容や担当者によって違うため今回はニコニコホールでZoomウェビナーを行う場合の内容でまとめます。

準備するものと持ち込むもの
持込 ・ホスト用PC
・進行(座長)用PC
・講演者(演者)用PC
・映像投影用PC
その他周辺機器や資料など
レンタル品(無料) ・インターネット回線(ルーター・配線など含む)
・音声用PC
・音声システム一式
レンタル品(有料) ・マイク4本程度 1本540円
・マイクスタンド(使う場合) 1本100or210円
・プロジェクター 準備1回1,100円

持込PCが足りない場合は一応貸出用PCとして開館当時に買ったノートPCが1台有りますがセキュリティやスペックの都合上あまり使用はお勧めしません。

配信方法

通常通りウェビナーを準備し、ホスト・進行・講演者PCと音声用PCをパネリストとして参加させてください。音声用PCは当日お伝えするメールアドレス宛に招待メールをお願いします。
ホスト・音声はカメラオフ、ホスト・進行・講演者はマイクとスピーカーオフの設定で開始していただければ、ウェビナー画面には進行者と講演者の顔が映り音声はマイクを通した音が流れます。
最後に映像投影用PCは一般聴講者で参加しプロジェクターに繋ぎます。
映像の切り替えはホストPCからスポットライト機能を使用し画面共有は講演者PCから行ってください。

設定 カメラ マイク・スピーカー
ホスト用PC ホスト × ×
進行用PC パネリスト ×
講演用PC パネリスト ×
映像投影用PC 一般 × ×
音声用PC パネリスト ×

そうすれば資料は画面共有からZoom経由でプロジェクターへ送られ、音声共有もZoom経由でホール音声へ送られます。出演者の切り替えはホストからスポットライト機能を使用し、もし事前に流す動画やスライドがあればホストPC又は専用PCを追加し画面共有で再生をしてください。

当日の流れ

舞台使用の有無・客席仕様の有無を事前にお伝えいただければ、それに合わせてプロジェクタ・音声PC・各PC用電源と有線LANケーブルは事前に準備します。
イスやテーブルの設置と資料の準備は皆さんでお願いします。

会場が整ったら各PCのセットアップと音声用PCへ招待メールをお願いします。会場の音声や照明の調整はこちらで行いますが本番中の操作は皆さんで行っていただきます。(すごく簡単です)

ワンランク上の配信

道の駅日光では配信用として業務用ビデオカメラやビデオキャプチャー・ビデオスイッチャーの貸出も無料で行っています。
例えば進行や講演者の映りを良くしたい場合や出演者たたくさんいて画面を切り替えたい場合はご相談ください、追加料金なしで対応いたします。

【スタッフブログ】vol.11「ホールの技術担当の堀田くんのこと」(なおさん)

「ニコニコ本陣スタッフ通信」vol.11

ホールの技術担当の堀田くんのこと、

こんにちは、道の駅日光、ニコニコ本陣の直林です。
僕たちが運営管理する施設のひとつに「ニコニコホール」(多目的ホール)がある。
通常、ホールには音響、照明を担当する技術者がいて、ホールで事業を行う上でとても重要な役割を担い、その技量によってクオリティーにも大きくかかわってくる。

ニコニコホールには開業から在籍する技術担当者の堀田くんがいる。
僕が着任した5年前、初めて会った時の彼の第一印象は、物静かな真面目な青年というイメージだった。

堀田くんと一緒に仕事をする中で、彼のチャーミングな一面が見えてきた。
実は、お茶目が大好き!(笑)

ホール見学の企画を立てたとき、キャットウォークからみんなで紙飛行機を飛ばしましょう企画や、ホール見学にきた学生たちとの記念撮影では、一番ハッチャけたポーズを取る堀田くんを見て、当初のイメージとのギャップに驚いた。

一方、技術担当者としての堀田くんは、かなりストイックだった。技術のスキルアップや、新しいことへの挑戦、その取り組みには目を見張るものがあった。コロナ禍でスタートしたYouTubeチャンネルでは、自ら収録編集した動画をアップし、ライブ配信では新たな機材とソフトを研究し、常にこだわりを持ってチャレンジしている。そして、出演者が少しでも演奏しやすくなるようなキメ細かい対応に、終了後に必ずと言っていいほど、出演者から「音響担当の彼にお礼を伝えてください」とメッセージをいただくことが多い。

ニコニコホールは、ただの箱モノではなく、技術担当の堀田くんはじめ施設のスタッフが関わることで、その個性が生まれてくる生モノなのです。ニコニコホールをご利用の際は、気軽にスタッフに声をおかけください。ホールは人が関わることで育つのです。これからもニコニコホールをよろしくお願いします。

今日もニコニコ本陣にお越しいただきありがとうございます。
チャーミングな人って一緒にいると楽しくなります。